せっ

アンネ・フランクと旅する日記のせっのレビュー・感想・評価

4.0
アンネだって普通の女の子だもん。

アンネ・フランクの日記に書かれた空想の友達キティが現代に甦り、親友のアンネについて辿っていく話。

話はキティが日記を読んでアンネとの日々を回想しながら進んでいくので、アンネの日記全然忘れていても大丈夫。もはや、小さい時に一度読んでそれ以降ホロコーストの犠牲になった可憐な少女という象徴でしかアンネを捉えていなかった大人の自分に、アンネだって普通の女の子だったということを自覚させられてよかった。

お母さんの悪口は言っちゃうし、一緒に隠れ家に住む住人達のことはかなり苦手で悪態もつく。そんなに模範的な良き女の子じゃない、それでも彼女が残した言葉は価値あるものなんだっていうアプローチが良かった。

ただ、この話現代の難民問題とホロコーストを同列に問題提起していてそこイマイチ私は一緒にして良いかわからなかった。トランプのように国民の嫌悪感を煽っているあからさまなのは同じだと思うけど、欧州の難民受け入れについてって他に色々関係してるんじゃないのか??

まぁそこについては置いとくとして、空想の友達を現代に甦らせるという面白い設定にしたのにこの作品の伝えたいことを真正面からキティに演説させるのは勿体ない気がする。演説してさらに最後のテロップまで出すから強いメッセージは伝わったよ。ウクライナのことがあったから更にね。
せっ

せっ