Natsuki

ケイコ 目を澄ませてのNatsukiのネタバレレビュー・内容・結末

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

Filmarks試写会にて

聴覚障害をもつ人がボクシングをするとはどういう事なのだろうか、単なるボクシング映画なのだろうか。。。
そんな事を考えながら試写会に行った。

想像とは全く違う映画で、良い意味で裏切られた感じとなった。

まず、他の映画と比べてセリフが圧倒的に少ない。
ペンで文字を書く音から始まり、最初のセリフまでたっぷり5分はあった。
日常生活音やボクシングジムの音が流れていた。

手話も多く、字幕が出る際は一度暗転するという方法だった為、映像に集中でき、より聴覚障害者と過ごしているように感じた。
全く字幕がない箇所もあり、自分が想像していた世界と全く違う事を突きつけられた。

そして、主演の岸井ゆきのさんの演技力はすごい。
健常者である人があの演技をする事は正直ストレスが多いと思う。だけど、そんな事は1ミリも感じないし、自然体にかつ役の人生を歩んでいる人そのものであった。

この映画は単なるボクシング映画ではない。

障害があってもなくても悩み事は同じだし、立ち止まる箇所、乗り越えていく過程は同じだ。
足に障害があるわたしとしては、そこを見る事が出来て安心すると共に、自分を受け入れて向き合って生きていくしかないんだと。再確認した映画となった。
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