Kaz66

ケイコ 目を澄ませてのKaz66のレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.9
静かで、そして深い…意志を示す映画。
岸井ゆきのの“殻を破り”新たな代表作になったであろう…。
実在の聾唖の女性プロボクサー:小笠原恵子さんの著書「負けないで」を原案とし、「きみの鳥はうたえる」の三宅唱監督が16mmフィルムで撮り下ろした、実話に基づく劇映画。
聴覚障害の主人公の作品だからか…、劇伴などがほとんどなく、“音”が際立った作品だった。
でもその自然音や、言葉を発しない岸井ゆきのの眼や表情での演技から、鮮明に/雄弁にケイコの“意志”が感じられる作品で、そこがドキュメンタリーにしなかった事の効果として成功してると思った。
ヒロインのサクセスストーリーではなく、ボクシングという厳しい世界と、一人の(聾唖の)女性の日常(普段の感情)を切り取った、魅力的な作品でした。
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