カヌレ

ケイコ 目を澄ませてのカヌレのレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.9

本当に良かった。
岸井ゆきのさんはまさにケイコだった。目、表情、佇まい、感情表現、歩き方、何をとってもまるでケイコがそこにいるようだった。こんなにもケイコという人間を体の内から体現できるのは、岸井ゆきのさんしかいないだろう。

会長とのシャドーシーンは自然と涙が溢れてきた。会長の人柄、ケイコにとっての会長、ケイコの心情、沢山詰まっていてとっても印象的な場面の一つ。
コロナ禍の描写も切実で、ありのままの現実だった。

無駄な音が一切無く、電車の音、怒号、消防車のサイレン音、ミット打ちや縄跳びの音などの日常の音が心地よく耳に残る。
エンドロールまで丁寧に作り込まれていて、最後に縄跳びの音が聞こえてきたのも良い。

自然音を聴き、余韻を楽しみながらの家路がとても心地良かった。

もう一度、映画館で観ようと思った。
カヌレ

カヌレ