スコセッシフォールド全開

ケイコ 目を澄ませてのスコセッシフォールド全開のレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.9
音楽で盛り上げたり、場面の説明をしてこない。生活音のみでこちらの感受性に全て頼っている。フィルムの画質荒さがエモーショナル。
障がい者、女性、非正規雇用者はキャラクターの一部に過ぎず、明確に自分が何をしたいのか分からずに生きるという人間ゆえの、全人類に通底する悩みを持っているのがいい。満足感のない空虚な日々。持たざる者として大共感した。

コロナ禍の苦悩。
ろう者はマスクで読唇術が使えずコミュニケーションが取れない。理解がある人もいればそうでない人もいる。コンビニ店員の"時々愛想が悪い客がいる"の誤解。
目覚まし、インターホンのアイデア代用。めっちゃ不便。でも実際に活用している人がいる。バリアフリー化が完全とは到底言えない日本で生きる。
練習生は減り、経営難に陥るジム運営。色んな人が主役。