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ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツのYMのレビュー・感想・評価

5.0
通して観たのは2回(?)くらいのにわかなのに、とくに後半のエモーショナルな展開に思わずウルっと来た。『北の国から』的な10年超におよぶ撮影の舞台裏、思春期を映画とともに過ごした彼らが感じていたこと。アラン・リックマンをはじめとして、ゲイリー・オールドマンやレイフ・ファインズ等英国映画界を代表する俳優陣に囲まれた、まだ彼ら自身さえどこに行きつくかまったくわからぬ子役の彼らがいかに幸運だったかは想像に難くない。無邪気に撮影の合間に遊んでるシーンの裏に、スタッフや重鎮俳優の愛の存在感がある。
レイフ・ファインズといえば、ヴォルデモート卿の声はこんな感じといいながら「ハリイィィ……ポッタァァ……」とインタビュー中に披露するシーンが風格たっぷり。役者って凄いなと思う。
エマ・ワトスンの語る、ちょっと淡くてロマンチックなトム・フェルトンへの恋心、もはや「戦友」という言葉が相応しいのかもしれないルパート・グリントやダニエル・ラドクリフとの関係性は美しい。
あとまあやっぱり、ガチファンからルーナを演じたイヴァナ・リンチ、役が抜けてないように剽軽なヘレナ・ボナム=カーターの証言は見どころか。ぜんぶ見どころと言っても過言じゃないけれど。
とはいえ、もっとテクニカルな面で、たとえば撮影班の美術への努力についての証言はもうちょっと観たかった。ローソクを釣糸で吊ってたとは知らんかったし。CGだけじゃない映像技術はきっと面白い裏話がもっとある気がする。そして、シリーズ最終章のクランクアップのシーン、そこなんだ!と驚く。スタッフ全員感極まって、役者も感極まってて、エモーショナルのきわみがここにある。このドキュメンタリー、シリーズが愛される理由がよくわかったような気がした。
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