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やまぶきのdxdxdのレビュー・感想・評価

やまぶき(2022年製作の映画)
4.0
陽の当たりづらいところに咲く「山吹」のように、この世界の片隅め生きる人々が時に交わり、時にすれ違う。
落石からはじまる巨大なピタゴラスイッチのような映画だった。

冒頭、油断して観ていたらニチアサでお馴染みの岩船を彷彿とさせる砕石場での岩盤爆破シーンから始まり、興奮で椅子から転げ落ちそうになった。その後も家族映画、青春映画、ノアール、ジャンルごちゃ混ぜの物語を16mmフィルムで活写されており、釘付けになった。

あと、4年前に撮影されたからたまたまなんだけど山吹が行なうサイレントスタンディングが図らずしもタイムリーに。「銃口に花束を!沖縄に平和を!」と社会的なメッセージが書かれたプラカードの横で「お前のことが好きなんだ→」と極めて個人的なメッセージを掲げる姿は笑えるんだけど、公私交ざりあい、あくまで人間たちがやっていることなんだと感じた。
真庭のような片田舎でやっても何の意味もないだろうと劇中でも指摘されていたけど、決してそうじゃないだろうと思わせてくれた。
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