ファサリナ

皇帝のいない八月のファサリナのレビュー・感想・評価

皇帝のいない八月(1978年製作の映画)
3.8
渡瀬恒彦の狂気と政治家たちの攻防!
導入となる自衛隊のクーデターは不謹慎ながらもワクワク心踊ってしまった。映画の導入としては最高だったと思う。とにかく豪華なキャストを山本薩夫監督が上手くまとめていてそれぞれのキャラが立っていた。ギラギラした渡瀬恒彦のカリスマ性を感じさせる演技は「警視庁捜査一課9係」に馴染みのある身からすると懐かしく感じられた。内閣調査室長を演じた高橋悦史の総理の傀儡感、太地喜和子の妖艶さ、拷問で平気で人を殺す三國連太郎、足手まといになるくらいなら死を選ぶ山崎努、偶然居合わせた列車の乗客渥美清と岡田嘉子そしてクーデター計画主犯の佐分利信と決着をつけようとする滝沢修らも光っていて映画の中に生きている人間味を感じた。山本圭の役柄は当時よく演じてたものだが比べて吉永小百合の役は珍しいものだったのではないか?
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