若手随一の天才肌森七菜と奥平大兼。
この2人の組み合わせはもっと多くのパターンでみたいが、今作は不眠症の高校生たち。
2人とも、現在眠れないという悩みがあって、過去にその原因となった出来事があって、同じ悩みを共有出来る相手と出会って恋をする。
そうありふれてはいないような、それでも私たちの社会の中に必ずいる人たちの話。
世の中の大多数からは理解されない少数が、また少数と奇跡的に出会い、居場所を見つけられる。
居場所を見つけるために部活を作るのは、同じ奥平大兼の『ケの日のケケケ』にも似ている。
こちらの方が敵となるものが「動かせない事実」となるのが辛い。「この世界のほとんどは君の手の届かないところで決まっている」そんな、君のせいじゃないを掛ける先生がいい。介入しすぎず、力になろうとする存在。
萩原みのり演じる、天文部の卒業生もそう。あえて距離をとって、2人に自由を守り、2人の自由を広げてくれるようなところが良い。
フィルムのような質感の写真たちと綴るエンドロールが良かった。