「お前たちは足りないところを補い合える関係じゃない、同じところが欠けているんだ」
主人公の従兄弟が口にする言葉。
誰の人生も100点じゃ無いから、それぞれ欠けているところというのがあるものだと思う。>>続きを読む
「カランコエの花」でも思ったけれど、
中川駿監督は、そこにいそうな高校生を切り取るのが本当に上手い。高校生を描く話は多くても、こんなにリアルな感覚を覚えることは無い。
主人公となる少女たちは4人。そ>>続きを読む
もがき苦しんでいる時ほど、良い作品が生まれる。それはアートの本質なのかもしれない。
どうしたって逃げられない苦しみを、消化するために絵を描く、音楽を奏でる、文字を書く。
見た人、聞いた人、読んだ人が、>>続きを読む
その人やそのアーティストの全てでなくても、あのフレーズが、あの歌詞が、魂を揺さぶるような音楽と出逢えた時の感動を描いている作品。
オープニングの曲のイントロが流れて、「It's a sin」だ!って>>続きを読む
話題の最新作を飛行機の中で観れるのはラッキーだけど、この臨場感は映画館で体感するべきものだと思う。映画館で観るほどの迫力や音の凄さを感じられなかったのが残念。
アメリカにおける人々の現状がどこまでこ>>続きを読む
1960年代。
中絶が禁止されていた時代のフランス。
学位を取り、教師になりたいと思っていたアンヌは予期せぬ妊娠をしてしまう。
「女性には選ぶ権利がないと思われている」という台詞が、たった半世紀前の>>続きを読む
私は踊る大捜査線シリーズに何の思い入れも無いというか、観たことないので、これだけ観ると何がどう違うのかは分からないけれど、
イメージする今までの踊るとは、違う作品なんじゃないかと思う。
一方で、過去作>>続きを読む
役者が監督をやる時って、どちらかというと役者目線、キャラクター目線かなと思うのに、どちらかというと撮影や演出に重きを置いている。
ワンカットワンカット絵画のように凝っていて、閉塞感のある町、奇抜な建物>>続きを読む
長久允監督って、お名前は観たことあったけど、初めて作品を観た。
編集がめちゃくちゃオシャレで、場所はいつも変わらないのに、何度も新鮮に映る。
色味やワンショットワンショットも強烈で、48分という中編に>>続きを読む
アリーチェ・ロヴァルケルという監督は、現代の社会的な問題と伝承を使って、新たなる神話を映画というフォーマットで作る人なのだなと思った。
今作は「幸福な王子」とキリスト教の「ラザロ」のモチーフを用いて>>続きを読む
現在と過去、現実と幻想、生者の世界と死者の世界。
主人公アーサーは、その2つを行き来して、亡くなった恋人の幻影を追っている。
過去に囚われ、死者を想うアーサーは、昔の墓を見つける才能がある。
墓を見つ>>続きを読む
放蕩息子のハル王子。
昔、ホロウ・クラウンでトムヒがやっていたね。
15世紀初頭といえば、日本でも戦国時代。
どこの国でも国内で争っていたし、どこの国でも跡目争いは深刻だと…
酒浸りで、快楽に興じる>>続きを読む
若手随一の天才肌森七菜と奥平大兼。
この2人の組み合わせはもっと多くのパターンでみたいが、今作は不眠症の高校生たち。
2人とも、現在眠れないという悩みがあって、過去にその原因となった出来事があって、同>>続きを読む
なぜか4作目から観た怪盗グルー。
何が怪盗グルーシリーズにとって通常運転なのか、これを見ることでようやく分かった。
グルーと家族とミニオンがいて、さらに悪党がいて、仲間なのか足手纏いなのか怪しい連れ>>続きを読む
日本ドラマベスト3に入るほど大好きな「アンナチュラル」とその次点な「MIU404」。ドラマ内でも一部絡みがあったけれど、そのふたつの世界がさらに広がる映画が出来ると知った時から大興奮。
録画視聴、配信>>続きを読む
"bye motherfucker"
完璧過ぎる、決め台詞。
字幕より、この台詞が完璧。
『プリシラ』のケイリー・スピーニーが、逞しく化け物と戦うヒロインがこんなに似合うと思わなかった。
レイン、大>>続きを読む
ドラマ版と映画版のミスター・ダーシー。
戦時下の秘密の作戦について描いているものの、Wダーシーかつ恋に落ちたシェイクスピアの監督なので、中盤主に描かれるのが恋愛描写なのが思ってたのと違ったかな。
と>>続きを読む
motive=動機
cue =きっかけ
どちらも同じ意味のようだけど、考えてみると確かに違う。きっかけがないと始まらないし、動機がないと続かない。
「動機は役柄の背骨であり、知性と理性である。きっかけ>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
結城馨の文字通り、"命懸け"の決意に思いを馳せる。
父を冤罪で失って、冤罪を晴らすことが人生の目的となってしまった高校生。
そこから誰よりも早く司法試験に合格するほど努力して、ロースクールの天才になる>>続きを読む
加瀬亮の織田信長を観たかった。
数多くの役者が挑んできた信長像。
近年では、『麒麟がくる』の染谷信長の、目の奥にある孤独と承認欲求から来る狂気が印象的だったし、役者によって違う信長像を加瀬亮がどう演じ>>続きを読む
「多様性と言って、文化の背景を知らずに、表面だけを掬ってやりたくないことをやらせるのは違う」
と、あるキャラクターが言った。
今やそこら中にある多様性という言葉。
マイノリティが自らが明日も生きよう>>続きを読む
現実がフィクションに与える影響はどの程度か。フィクションは現実を反映しているし、あえて現実の関係や人物背景を使っていたりするから、意図的なこともあるけど、この作品はあのゴシップを知ってる人からすればど>>続きを読む
主演:杉咲花だけしか把握していないのに、社会派で、質の高い作品だと分かる。
最近の杉咲花のインタビューなどからも、彼女の作品選びに、明確な意志を感じられて尊敬する。
どんな作品にも必ず社会が透けている>>続きを読む
グルーの1〜3も、ミニオンの1.2も観ていないのだけど、試写にお邪魔。
どの作品を観ていなくても、全然楽しめたけど、知っているに越したことは無いらしい。
スパイダーマンやターミネーターなど、名作映画>>続きを読む
この東野圭吾の原作は、本だからこそ出来ることで、そこが肝なので、肝心なところが抜けてしまっているこの映画版ではミステリの良さが味わえないかなと思いました。
ミステリ好きには本がオススメです。
若手豪>>続きを読む
有名なアメリカのミステリー小説で、原作を本屋で悩んでいたくらいなので、先に映画を観たことを後悔しないといいな、思いながら観たけれど、これは映像で観て正解だったと思ってる。
湿地という場所がどんな場所>>続きを読む
アン・ハサウェイとレベル・ウィルソンの女性詐欺師2人のコメディ。
ハサウェイ演じる一流の詐欺師が、同じエリアにやってきたウィルソン演じるアマチュア詐欺師を追い出すために悪戦苦闘したり、時には一緒に詐欺>>続きを読む
歌うことしかできず、話せなくなった少女に何があったのか、周りの人達の過去と重ねて、ひとりの少女の人生が見えてくる。
イッコと夏彦への憐れみ。
その讃歌は赦しを与えるだろうか。
これはるかの話なんだ>>続きを読む
今年も夏はキングダム!
今作で一旦一区切りということもあり、他3作にも増してファンもそうじゃない人も観客の熱量の高さを感じた作品。なんと、邦画実写ナンバーワンのスタートだとか。もうすでに日本を代表する>>続きを読む
大好きポール・キング。
パディントン同様、大人から子供まで愛すべきおとぎ話。映像と音楽のある絵本。
この世界にティモシー・シャラメが合っていたし、
「Mr.Bean」ことローワン・アトキンソン
「G>>続きを読む
IMAXで観るDUNEは感無量。
映像・音響のこだわりを十ニ分に堪能出来る。
ワンシーンワンシーン息を呑み、時が止まるよう。
広大に広がる砂漠、向かってくるワーム…宇宙のどこかであるはずの壮大な世界を>>続きを読む
交通事故に遭い意識不明の弟を看病する姉が、弟の好きなものを巡り、弟と共有する中で、弟の好きなミュージシャンと出会う話。
フォークソングのミュージシャンということで、本人に近しい役をやっているジョニー>>続きを読む
陰陽師に限らず、原作モノのアクション映画がたくさんあっても、女性監督のものはなかなか無いので、お花をたくさんあしらえた映像や、独創性の高い衣装、些細な演出に見惚れる。
今回の映画のプロモーションまで>>続きを読む
一言感想、超面白かった!
ルカ・グァダニーノ監督の最新作は映画館内各所から笑い声が聞こえてくるラブコメで、そこにテニスの試合のハッと息が詰まるようなハラハラもあってとっても楽しい。
色々なモチーフで遊>>続きを読む
『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』のエドガー・ライト監督作。
イギリスがサイモン・ペッグなら、アメリカはマイケル・セラか。確かに。
他の作品同様ファンの多い作品で、特に漫画やゲームをそ>>続きを読む
違う作家の作った3つのアニメーション作品。
全て同じ、"家"を題材とし、どこか嫌なムードが漂うところは共通している。
嫌度から言うと、2話がMAX、1話、3話。
2話の後では、3話に爽快ささえ感じてし>>続きを読む