亡き妻との約束を果たすために、ひとりの老人がスコットランド最北端の村から路線バスを乗り継いでイギリス最南端の岬ランズ・エンドへと向かうロードムービー。
バス旅というのがひとつの魅力。都会から離れた地域では、なんと羊まで乗って来る。また、バス車内では多国籍社会ならではの出会いや衝突があり、それらに対する反応から、老人の勇敢な人柄やその決意の固さが浮き彫りになる。
90歳で病身、立っているのがやっとのような彼がよろよろと歩く姿は痛々しいが、目的地に到着して妻との約束を果たす姿には思わず拍手を送りたくなった。
実際よりはるかに年上の男になりきったティモシー・スポールの演技がすばらしい。また、亡き妻を演じているのが「ダウントン・アビー」のヒューズさんだとは最後まで気づかなかった。
車窓の風景や音楽も素敵なハートウォーミングな映画。旅好きな友人に薦めたい。