zackey

この子は邪悪のzackeyのネタバレレビュー・内容・結末

この子は邪悪(2022年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

前半と後半の落差が、悪い意味で大きい。

前半の得体の知れない気味悪さ、サイコホラー感は後半への期待を大きくしたが、そこから一気にオカルトホラーどころか頭の悪いファンタジー、SFになった。

魂の交換って…。そんなの言ったもん勝ちのぶっ飛び設定すぎるでしょう。そんなハチャメチャなおバカ映画なんだったら、事前にその要素を少しでも入れておかないと、唐突すぎて驚いたり恐怖する以前に呆れるわ。もはや怒りすら湧いてくる。

そんな頭の悪い設定にしておきながら、「どうだ!」とでも言わんばかりの、監督のやってやった感がダダ漏れのラストシーンは冷笑モン。鳥肌が立つ。ラストシーンに繋げるためには玉木宏を殺すことが絶対条件なのは分かるんだけど、その流れもあまりに安直。暴走した親を子が殺すって…。見飽きたよ。前半あれだけ凝るなら最後ももうちょい頑張れよ(笑)。中学生が考えたのかよ。

「この子は邪悪」ってタイトルも、ミスリードだけを狙った安っぽさ。そもそもラストシーンもありきたりなパターンすぎて驚かない。安っぽいくせに、監督の「すげーラストだろ!」っていうドヤ顔が透けて見えてくるのが本当に気持ち悪い。気持ち悪すぎる。厨二クサすぎて吐き気がする。

登場人物の性格も、玉木宏はまだサイコパスのゴリ押しで納得できるんだけど、他の家族3人もめちゃくちゃだよね。お前ら、意思はないんか。行動原理や考え方の理屈がぶっ飛んでて感情移入もできない。結局一家全員サイコでした、ってことにしとけばいい?

虐待されている子どもを守りたいみたいな設定もいるのか?監督のやりたいラスト、展開の理屈を通すために無理くり肉付けされた設定が多すぎて、一つひとつの要素の繋がりがなさすぎる。

配役も玉木宏は玉木宏だし、南沙良は設定年齢にしては大人すぎるし。全然ハマらん。ただ大西流星は本当に良かった。演技が上手く、良い意味で見た目に特徴がないから、雰囲気を邪魔しない。
zackey

zackey