コナン「X…?それに何か特別な意味があるの?」
蘭姉ちゃん「うん!ジョディ先生が授業の終わりに余談で話してたらしいのよ!キュートなマークって…」
園子「無理無理!そんなガキんちょに聞いたってわかりゃしないわよ!」
コナン「X…X…X…Xは代数で未知数を表す記号…もしくは疑問・未知・不明・不定のこと…X線はレントゲン…X指定は18歳未満禁止…Xデーはあることが起こると予想される不特定の…待てよ、X(バツ)だとしたら…バツ印は誤りとか伏せ字とか…バツイチは離婚歴1回…何だ…!?何なんだXって…」
この映画を一言で言い表すとすれば、「X」でしょう。
なぜなら今作は「X」の要素を詰め込んだ作品だからです。
まずコナンが説明してくれたように、映画自体がR18指定されていることが挙げられます。
そもそも農場にてポルノ映画を撮ろうというのが前提としてあるわけで、R指定は免れません。
ミア・ゴスは出演作品で割と脱いでいることは多いですが、よく見たら「ウェンズデー」の主演のジェナ・オルテガも出てたりしてビビりました。どんだけ豪華なポルノなんだ…
あとXは暴力を表す文字だったりもします。
「アメリカン・ヒストリー・X」も暴力が大きく関わってくるような内容でしたし、今作の暴力描写というか、残酷描写はなかなかに鮮烈でした。
そして未知のものとしてのX。
のどかな農場に来たつもりが、そこには知られざる恐怖が潜んでいたというプロットの今作では、高齢の殺人鬼カップルという元気すぎる余生の楽しみ方をしている2人が大暴れします。
不気味なお年寄り夫婦という組み合わせは、M・ナイト・シャマラン監督作品の「ヴィジット」を思い出します。
あちらは気のいい祖父母かと思って油断していたら、日常で行われる不気味で常軌を逸した行動にゾワゾワさせられる楽しい映画でした。
あと高齢ではないですが、ドラマ「クリミナル・マインド」では割と殺人夫婦が出現することがあり、例えば子供を誘拐し、監禁した上で疑似家族のようなものを作るという夫婦や、支配的な夫が妻に殺人の協力をさせる夫婦なんてのもいて、愛の形はいろいろありますね。
しかしながら、今作のカップルは歳をとっても愛し合う夫婦であり、若かった頃に思いを馳せていたりもします。
その若かりし頃を描いた映画が「Pearl パール」で、こちらもミア・ゴスが殺人鬼の妻を演じているらしく、是非とも観たいところ。
とまぁX要素盛りだくさんの映画なわけですが、全体としてあえてレトロかつチープな演出をしていて、古き良きスプラッターホラーに仕上げておりそこが良かったりします。
それでも中身として質が低いわけではなく、そこはさすがのA24クオリティでした。
エログロ描写好きには確実に刺さると思うので、そういった趣向をお持ちの方は是非!
ちなみに、コナンが必死に考えていた「X」の意味は「キス」でした。
英語のメールなどにおいて使われる表現で、「XOXO」というものがあります。
「X」はキス、「O」はハグの意味で、親愛の情を伝えるための表現だそうです。
コナン「ねぇ、Xって何? 園子姉ちゃんが蘭姉ちゃんに聞けって…」
蘭姉ちゃん 「そ、そんな事知っちゃ…ダメよ!!」
コナン「え? ダメ?」
蘭姉ちゃん「そ、そう! Xはダメって意味よ!」
ーしばらく経って…
コナン「おっ、メール来てる!(新一宛に) 蘭からだ…」
蘭「今日、また事件に遭遇!やっぱ私って呪われてるのかな? 新一の好きな事件の内容はまた後日…」
「早く帰ってきなさいよ!XXX…」
コナン「あんだぁ?俺はダメダメダメって事かよ?」
…頑張れコナン。