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重力の光 : 祈りの記録篇のhiのレビュー・感想・評価

重力の光 : 祈りの記録篇(2022年製作の映画)
3.8
初見の石原海監督作品。

どうしようもない状況に世間には居られなくなってしまった人々と居場所を無くしてしまった人々を受け入れる東八幡教会。 

彼らが演じる"キリスト復活"
素人なのでお世辞にも上手いとは言えないのだが、このなんとも言えないシュールな劇は、彼らの生活や語りが交差する中で、説得力が生まれ、最後のキリストに平伏す人々はどうみてもやはり滑稽であるのだが、"気付き""目覚めた"彼らの姿は恍惚とした光景であり、なんだからわからないが、美しくみえてしまうという、変な感情になりました。

編集なのか、絵の作り方なのか、わかりませんか、ドキュメンタリーなのに
不思議な空気を纏った映画でしたね。


"わたしは別に良い人間ではない"という監督は、
社会福祉目線がないわけではないだろうが、良い人扱いされるということよりも、そこに生きている人たちがとても面白いから、という理由で撮り続けてきたことにとても、納得しかない個性豊かな人々。
辿々しく話す姿は、不器用なだけで、なにも我々と変わらないなと思う瞬間ばかりでした。

舞台挨拶で
海監督が写真家の山谷さんの作品を"スピードが速い"と言っている一方で、
"わたしは生きてるスピードが遅い"といってて、同じように、作品を作るということに関して、何度も反芻したり、同じ場所や人を撮り続けるドキュメンタリーというものと、写真のように瞬間を切り取るものは、似て非なるものなのである以上に2人の人間性というか、2人の物作りや表現の違いを感じられてるとてもよい舞台挨拶でした。


どれだけ情報が溢れても、
受容できる人間の頭と身体は一つだし
みんな違いますもんね。
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