永野芽郁もすごいが
中学生時代の子役もすごい。
かなり永野芽郁を食っている。
「私にはアンタしかいなかった」という割に
うざがっているし、
ラインの返答も粗末なものである。
それでも暴力的な男性から守ろうとしたり、
随所に感じ取れる歪な愛の形が
ぼんやりとした霧のなかから徐々に浮かび上がってくるようである。
シスターフッドといえば聞こえはいいが
現代日本の枠組みに閉じ込められた彼女は、
(そしてラストにもその枠組みに入り込んでいく)
そもそもシスターフッドにすらなれていなかった。
むしろそれが生み出す後悔こそが
本作の駆動力になっているのが面白い。
精神が削られる「自死」というテーマにおいて
彼女を弔う最良な遺骨の使い方には
あまりに出来すぎな展開であるものの、
死における、
ある種の清涼感のようなものを
無理矢理にでも感じさせてやる、
という気概を感じ、
柄にもなくスカッとした。
身近に起きた同種の件についても
ずっと心に引っ掛かっていて
都度答えを出そうとしていたが
こうした解決のしかたがあったかもしれない。