マイ・ブロークン・マリコのakiのネタバレレビュー・内容・結末

原作はこれから読みます。

自分の人生の何を想起したのかわからないけれど言語化できない情動ではじめからおわりまで涙が止まらなかった。

ところどころのありえない設定も「旅」のもつ非日常性の表現のひとつとして受け止めることが出来たし、何よりそんな違和感はこの映画においては些細なものでそれよりも圧倒的に永野芽郁演じるシイノのある種狂気とも言える感情に引きこまれっぱなしだった。

他人を救いたいと思う行動がそのまま自分が救われることへ繋がって、それによってその人への依存にすり替わってしまう。
主人公のシイノはブラック企業に勤めていていわゆる社会の歯車として生活しているけれど、こういう世の中で生きていると孤独や病理的な依存性って自分も含めてもう結構共通の感情として根っこに存在しているんだろうなと思った。

自分の力じゃどうすることもできなかった人が沢山いてずっと身勝手な罪悪感のようなものを感じていたけれど、ラストシーン、マリコからの手紙でそんな救えない自分が少し浮かばれたような、そんな気もした。