椎名は実写化するなら戸田恵梨香だろうと思っていたけど永野芽郁良かった。
所々演技に(椎名にしては)可愛らしさが滲むものの、椎名の荒々しさと湿度が再現されていたと思う。
テンポ感も原作の疾走感を損なわないまま、程よく補足的アレンジが追加されていたけど一点あの歯磨きのシーンなんだったんだ…
あと脇役がかなり良かった。窪田正孝の演技力、雰囲気についてはもう今更何も言うまいが吉田羊があの再婚相手役として出てきた時は驚いた、意外かつ上手すぎる。あんなガラガラおばさんの役もできるんだな…
椎名の少女時代役の子役も良かった、すごく雰囲気があった。
肝心の内容については冒頭ですでに書いたように原作が好きなので改めて語ることはないんだけど、ラストシーンでナレが入ったりせず椎名だけに当てられた手紙として終わらせてくれたのが本当に良かった。強いて言うなら、長々と引っ張らず宛名から一呼吸あって暗転、最後のセリフ即エンドロールの方が良かったなとは思うけど、これこそ個人の好みの問題なので。劇中でマリコの死の原因が分からないこと、人によっては面白くないと感じるかもしれないけど親友が突然何も残さず死ぬっていうのはそういうことで、何もわからない椎名と同じ視点で観客(読者)も物語を観るんだよ。何でも神様視点で全容を把握しなくたっていいんじゃないかと私は思う。
演出もっとあっただろって思うシーンいくらかあったから☆4にしてるけど、結末まで知ってた上でわざわざ観てよかったと思える映画だった。永野芽郁はこれから戸田恵梨香的なサバサバした女性の役にも挑戦していくのかしら。楽しみ。
