ドエフランスギー

最強殺し屋伝説国岡 完全版のドエフランスギーのレビュー・感想・評価

4.8
主に京阪沿線で繰り広げられる、殺し屋国岡の低温ド(モ)キュメンタリー映画。
べいびーわるきゅーれの商業映画らしいしっかりとした演出、カメラワークと違ってこの国岡の映研感…、たまらない。
なんといっても国岡(23)のリアルな関西の若者感が本当に良い、映画用の等身大じゃなくてもっとその辺の大学生っぽいというか。本当に演技してる?質感が同級生のそれすぎる。
関西の男の子によく見られるお顔立ちと、自然すぎるネイティブ関西弁から関関同立あたりの学生さんかと思ったら、九州ご出身の同年代。いや、何食べて生きたらそんな今出川界隈の雰囲気出せるの?高安のからあげ?

ドンパチ映画としては盛り上がりに欠けるし面白いわけではないんだけど国岡(23)という男の話としてはめちゃくちゃ面白い。
不器用だけど、別にレオンみたいな影や渋さがあるわけでもなく、孤独かといえば京都から岐阜まで車を出してくれたり一緒にM-1を観るような友人もいて、ありふれた失恋に普通に傷付き、殺しの腕はピカイチなのに世間に対して人並みの無害な劣等感を持っていて、く、国岡~~~~~~~等身大の若者すぎるよ~~~~~(愛おしい)
べいびーわるきゅーれも社会に適合できない凄腕アサシンだったけど、同じ材料でこんなに違うものお出ししてくるのかという衝撃。
考察要素特に仕込んでないよみたいな感じも、「はい!ここお笑いポイントです!」みたいな間もなくて、その押しつけがましくなさが気持ちいい。自分の好きな時代のギャグマンガのテンポ感と世界観。
深い闇があるでもなく、非現実的な華やかさがあるでもなく、ただただ生計を立てる手段としの殺し屋稼業というか、厄介な顧客トラブルも含めて普通のフリーランスっぽい温度感で描かれているのシュールさ。界隈のルールや職業倫理もそれなりにあるっぽいのに、ターゲット間違えて他人を誤射して「あちゃー」みたいな世界観の倫理の捩じれ。低温でじんわり延々と面白い作品でした。
国岡いとおしい~~~~~~~~~~~~~~!!!