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ボーイズ・ライフのmanamiのレビュー・感想・評価

ボーイズ・ライフ(1993年製作の映画)
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1950年代アメリカ、実話を基にしているらしい。素行に問題ありの少年トビーの物語、演じるのは若き日のディカプリオ。
彼の母親キャロラインは男を見る目が絶望的になく、トビーの父親である前夫との離婚後はいろいろな男とくっついては逃げるように別れたりしてる。
この母に対する息子の態度がとてもオトナ。一人の女性として尊重しているのか、それにしても度を超えているような?実の母親の再婚翌朝に、初夜の感想を尋ねたりする?まだ高校生だよね、ちょっとぐらい甘えたり妬いたり、自分が辛い思いをしている責任を問うたりしなくていいの?あまりのドライさに心配になっちゃうよ。
トビーの継父となるドワイトは最低最悪のDV男で、演じているロバートデニーロを嫌いになりそうなくらい。最初の体位エピソードからして吐き気をもよおすレベル。
あんまり存在感ないけど、彼の子ども3人は良い子達ね、あの毒親の下でよくこんなまともに育ったな。トビーのことを一応かばってくれるし。もし義理のきょうだい達まで性格悪かったらコンクリートでの生活はまさに地獄だから、そこには救われる。末っ子なんて、一緒に連れて行ってあげたらいいのにってくらいよ。
それにアーサーの存在も、トビーにとって大きな支えだね。あんな閉塞感しかない辺鄙な町で、あそこまで自分を貫けるなんてかっこいいよ。二人が大人になってもずっと、友だちでいられたのだったらいいなぁ。
とは言え、115分のうち100分ぐらいはトビーが悲惨な目に遭ってるか、不適切な行動をしているかの、どちらか。つまり観てて辛くなる。現状打破のためにとった策も、「その方法でいいのか?」と少なからず思ってしまって、応援する気にはなれない。どうにもこうにもスッキリしないラスト。

72
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