ゆみモン

小さき麦の花のゆみモンのレビュー・感想・評価

小さき麦の花(2022年製作の映画)
4.0
中国西北地方の農村が舞台。
貧しい農家の四男・ヨウティエと、障害や病気があり子どもの産めない身体のクインは、互いに家族から厄介払いされ見合い結婚させられる。
そんな二人が、互いを慈しみ、作物を育て家を作り、慎ましくも強い絆で結ばれていく物語。

二人とも(特にクインは)無口なので、全体的に静かな映画である。
二人の農作業などの暮らしぶりが淡々と描かれる。
ヨウティエは「借りたものは返す、約束は守る」という律儀な人柄。搾取されたりごまかされたりしても、文句を言う訳ではない。けれど、自分たちの生活に本当に大切な物は必死で守ろうとする。
クインも、不自由な身体で一生懸命農作業を手伝う。見合いの時に、ロバに優しく接するヨウティエの人柄を見抜いていたのだ。
二人の慎ましやかで穏やかな生活が、いつまでも続きますようにと祈るような気持ちで観ていた…。が、不幸は突然訪れた。

愛や幸福について、改めて考えさせられる作品。