いぬ

ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュのいぬのレビュー・感想・評価

2.5
脚本が雑、主人公の言動に説得力がない

主人公が天真爛漫で明るい性格というのは分かるが、それにしても冤罪で劣悪な収容所にいる我が子を取り戻すための行動をしている時に、めんどくさそうにしたり、ただの観光旅行のようにふるまったり、という描き方はあまりにもリアリティがなく、コメディ的な意味で面白くもない。そして、息子を取り戻す過程で遭遇する、政府や公的機関の理不尽な対応や裁判結果などに対する苦悩も描ききれていない。また、裁判や政府の判断など、物事が動いていく経過があまりにも淡々と処理され、終始同じペースで話が進んでいくので、全く感情移入ができない。
監督さんは、ベースとなっている実在のムラートの名誉を挽回すること、彼に代わって酷いことした人を映画を通じて世に晒すことが、映画制作の主たる目的になってしまったのではないだろうか。
弁護士役の男性の演技が光っていた。
いぬ

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