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午前4時にパリの夜は明けるのWNTのレビュー・感想・評価

3.5
エリザベートの結婚生活は終わりを迎え、元夫は女を作って家を出ていく。
働いたことのないエリザベートは仕事を探すが入力したデータを保存しないまま消してしまい一日で仕事をクビになってしまう。
ラジオ放送初日から聞いていた深夜のラジオ番組に手紙を送ると、熱烈なファンであることを認められその日からラジオ局で働き始める。
そこで出会ったリスナーの少女タルラは親とは不仲で路上生活をしており不憫に思ったエリザベートは家に泊まっていくようにと話しかける。

一歩ずつ自分のペースで前へ進んでいくエリザベートとそれぞれの人生を生きるふたりの子どもたち。

劇的な変化はないもののゆっくりと時間をかけて自分を癒し人生を歩んでいくエリザベートの姿を観ていると不思議と心が温まる。

完璧じゃなくても不器用でも時には泣いてもいい。分からないものや知らない世界を否定するのではなく肯定的に生きていく純粋さとまっすぐな心に憧れを抱く。

シャルロット・ゲンズブールの優しく囁くような美しい声に癒される。
女性の理想像のようなしっとりとした柔らかな佇まいが印象的でラジオ感覚で深夜にゆっくり観たくなる作品。

飾らないありのままの家族の形とタルラを迎え温かく見守る姿勢。
出会いと別れを経験し前に進む。いくつになっても成長し続け新しい世界に飛び込んでいく。
パリの景色や夜景が美しくて全てが輝いて見えたし夜明けがこんなに綺麗だとは思わなかった。
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