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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ーのoのレビュー・感想・評価

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アメリカの最高裁が人工中絶手術に関する新しい判断を出したことで、バックラッシュに揺れるアメリカで再び脚光を浴びることになった支援団体ジェーンを題材にした意義深い作品。
製作者から出演者に至るまで、ありとあらゆる関係者はジェーン・ローが示した女性の権利を支持していることが明確で力強い意志力が感じられる。
主演のエリザベス・バンクス、重要な役柄を演じたシガニー・ウィーバーを中心に適材適所なキャスティングがハマってた。クリス・メッシーナはダスティン・ホフマンやケビン・コスナーを彷彿とさせる犬顔で、ある時から不在がちになった妻ジョイに待ちぼうけを食らってる時の寂しそうな表情が実によかった。
とにかく重要なのは、支援団体に電話をかけてくる人たちは本当に多様で、様々な事情を抱えているってこと。望まない妊娠というより妊娠が命を脅かすジョイのような例はレアかもしれないけど、それだけいろんな事情がある証拠だと思う。
性行為や性暴力による妊娠・出産で不平等なのは、妊娠するのは女性だけということ。性暴力はもってのほかだけど、まだ経済力のないティーンエイジャーも多く、望まない妊娠や一定の理由がある中絶は認められるべき女性の権利だとあたらめて強く思う。
比較的裕福でのほほんとしたジョイが自身の経験から支援に入っていく流れを過不足なくかつ暗くならないように伝える脚本が地味に光ってると思いますね。
人工中絶手術を合法化しないとかえって違法行為によってリスクが増えるわけで、アメリカにかかわらず全世界で女性の権利が認められることを願うばかりです。

参考記事
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/qa/2022/08/18/24402.html
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