このレビューはネタバレを含みます
ジェイソン・ステイサム主演のアメリカ・中国合作のサメ映画の続編。
深海のさらに先にある深海エリアから恐竜をも捕食する巨大サメ「メガロドン」の生き残りが浮上してきて人間を襲うという、どちらかというとモンスターパニック物かもしれない。
前作は海底調査により深海とメガロドン生息エリアの間にある海断層に穴が開くことによりメガロドンがやってきて、研究施設とそこに雇われたステイサムことテイラーが死闘を繰り広げたわけですが、果たして今作は!?
以下、ネタバレあります。
元レスキュー隊員であったテイラーはメガロドンとの死闘の後、違法も問わない海洋保護団体として違法者を取り締まっていた。
一方で恋仲になった海洋学者であるスーインの死去、忘れ形見であるメイインを実の娘のように育てるという一面も持っていた。
スーインの死後、その兄であるジウミンは父と妹の跡を継ぎ、新たな出資者をつのり、深海探索用のスーツや新しい潜水艇を制作し未界域の深海を調査、さらには雌のメガロドン「ハイチ」を飼育することに成功していた。
ある日、新たな領域を調査するためジウミンとテイラーを中心としたチームが深海へと向かうが、メイインがこっそり乗り込んできてしまう。
引き返そうとするテイラーだったが、そこに脱走してきたハイチが接近、そのまま深海へと向かうことになる。
ハイチに引き寄せられるように雄のメガロドン達が集まる中、テイラー達はその様子を観察しつつ海底調査を続けるが、謎の人工施設を見つける。
そこは違法に鉱石を採掘している施設であり、事がバレると判断した採掘員は現場を爆破、潜水艇は巻き込まれテイラー達は海底で身動きが取れなくなってしまううえ、研究所では救命艇が何者かにより破壊されており救助も期待できない状況に陥ってしまう。
酸素量に限界が近づく中、なんとか海上に浮上するために発見した施設へと向かうのだった。
前作にて「海底にメガロドンがいる」ということは確定してしまっているので、今作は進行が早いです。
ざっくり言うと前半は「海底にて違法採掘者との攻防戦(深海生物を添えて)」後半は「夢の島にて巨大生物達と激戦(傭兵部隊を添えて)」みたいな感じになってます。
ぶっちゃけ、サメ映画ではありません。ジェイソン・ステイサムのアクション映画です。
ツッコミどころは満載で、ジェイソン・ステイサム(もしくはドウェイン・ジョンソン)が主演でなかったら許されなかったであろう部分は沢山あります。
深海8000mで素潜りするとか、恐竜を食う巨大サメに爆弾付きの銛一本で立ち向かうとか、特に最後のシーンなんかはどんだけゴリラなんだよ!と思わず叫んでしまうレベルです。
ストーリー的には実は悪い資本家が研究所を隠れ蓑に貴重な鉱石を独占して巨大な利益を得ている…みたいなのがありますが、本当にどうでもいいです。皆、出てきたと思ったら食われます。
取ってつけたようなテイラーのライバルキャラも、何事もなかったように深海から帰還してきますが、超人揃いすぎ。
前作に比べて一般人が大量に犠牲になるのはサメ映画として考えれば高得点。
特に、口の中から人々が食われるシーンは圧巻でしたね。…殆ど丸呑みでしたけど。
さすがに食いちぎるとかしたらR指定かかっちゃったのかな、残念。
また、題にもあるように今作はモンスター「ズ」なのでメガロドン以外にもモンスターが出てきます…出てきますがいまいち物足りない…っ!
メガロドンと同じ深海に生息していた生物が地上付近へとやってくるわけですが、さすがにあのオオトカゲはどうなんでしょう?
4足両生類が深海から地上へ…ってこいつら肺呼吸してるんですよね?同じ海洋哺乳類でも海での活動に合わせて進化してる中で、さすがにこいつのビジュアルはなくないですか?
ウミイグアナとコモドオオトカゲを組み合わせた感じだけど、深海で生きていくよう進化した感じが全く見受けられませんでした。
まあ、いうてファンタジーなんですけど、この辺は考えてデザインして欲しかったかな。
もう一匹の巨大タコも良かったんですが、直接人を食うというシーンも無いし、全体像も殆ど映らなかったのが残念でならない…。
あと、メイリンが本当にイライラしました。動くな言われてんだから動くなよ。
変な見せ場作るためだけに溺れてる人を助けに行くとか全然いらないエピソードだと思いました。
総じて、アクション映画としての見応えは高いです。ただ、ジェイソン・ステイサムありきの演出や設定が多い気はしました。
唯一生き延びた雌メガロドンが妊娠してる…みたいな次回への伏線がありましたが、メガロドンがどんなに増殖してもジェイソン・ステイサムに勝てない気がします。
これでメカメガロドンみたいなの出てきてもステイサムが乗るなら許しちゃうかも…みたいな気がしてるのは毒されすぎ?
無駄に語るやつは即死するというのと、陽気な黒人と可愛いワンちゃんはギリギリで生き延びるというサメ映画お約束あるあるはよかったです。