南森まち

20世紀のキミの南森まちのレビュー・感想・評価

20世紀のキミ(2022年製作の映画)
3.6
手術のため米国へ発った親友に代わり、彼女が惚れた男子学生の情報を集めようと彼の親友に近づくが…というお話。

前半の1時間は典型的な少女マンガのラブコメ。そして後半は色々な事実が明らかになり、怒涛の展開を迎える。
前半の軽妙で楽しい会話が面白い。さらに後半はその楽しさが哀しい思い出になるのが効き、非常に心を揺さぶる作品だった。

ただ、作品全体を振り返ると、終盤の客を泣かせるための仕掛けが際立ってしまう。安易にそういうのを持ってくるのは、個人的には減点だなあ。

また、設定を昔(20世紀)にした意味があまり感じられなかったのも残念。さんざんポケベルの番号がどうのという話が出てくるが、その機能がストーリーに活きているとは言い難い。学生時代にポケベルを使っていたヒトはわずかな層に限られる。
いっそ携帯にして、普通に現代の話にしてしまった方が分かりやすいと思った。

最後に。メインとなる男性二人組の俳優の顔が似すぎていて、最後までどちらがどちらか分からなかった。同じアジアでもそう感じるんだから、欧米のヒトには絶対に見分けつかないだろう。どっちかオールバックにするとかロン毛にするとかヒゲにするとか極端にして欲しかった。
ひょっとしたら、当時みんなこんなファッションだったねという笑いどころなのかもしれんけど。

色々書きましたが、恋愛映画苦手な私でも笑って泣ける良作ラブコメディでした!オススメ!