「生きること」について改めて問われる。いつか自分にも訪れる老後をどう迎えるのかと。
舞台は、75歳以上に死の選択権を与えられた近未来。
一人暮らしのミチ(倍賞千恵子)は自身の余生について決断を迫られることになる…というお話。
架空の設定ながら、
描かれているのは高齢者たちを取り巻く現状。
孤独、無関心、保障の行き届かなさ。。
ほんとうに、
最後の最後まで引き込まれて見入ってしまいました。
その一因ともいえるのは、人物描写や細かな演出の数々。
ミチが、使い終わったロッカーをハンカチで拭ったり、
使い捨ての容器を洗って拭いたり
誰にでも丁寧にお礼を言ったり、、
些細で自然な行動から、
日本の美徳ともいえる実直さが伝わります。
そんな彼女だからこそ、
最後までどうなるか気になって仕方なかった。
そんな彼女なのに、
なんでこんな目に遭うんだ、とやりきれなかった。
そして、基本的にはリアリティを追求した繊細な作りですが、
一箇所だけ観客をハッとさせる仕掛けがありました。
「あなたならどうする?」
「あなたの身にも起きるかもしれない」
と現実を突きつけられているようで、ゾクっとした…スゴイ。。
だけど、本作が鑑賞後に残す余韻は暗いものだけではありません。
生きることとは、
誰かに「また明日」と言うことではないでしょうか。
そこにある希望やぬくもりは、誰しも必要なはずです。
現実の残酷さと希望を描いた秀作…!
ぜひ!
【最後に…!】
倍賞千恵子さん、磯村勇斗さんら俳優陣本当に皆素晴らしかったんだけど、河合優実さんのとある電話口でのシーンの演技に感動したことは、どうしても言っておきたい…!
他にも印象的なシーンはたくさんありましたが、ぜひここは注目してほしい。。🥺
お気に入り★★★★★★★★★☆
おすすめ ★★★★★★★★☆☆
感動 ★★★★★★★☆☆☆
笑い ★★☆☆☆☆☆☆☆☆
涙 ★★★★☆☆☆☆☆☆