カンヌ国際映画祭で話題で話題になった、全世界に問う少子高齢化に潜む闇と人間感情。
75歳になると自分の死を選べる制度、PLAN75に翻弄される人間たちの物語。
もしそんなプランが出来たら、、、という近未来的な設定ながらも描くのは現代社会の暗部。
PLAN75ができたとしたらもちろん営業職、相談口、実行人が存在するわけで、、、
その職に就くということはどのようなことを意味するか。
ガイダンス担当の淡々とした説明内容はサラッと残酷。経済を回す人間が吐く人間性のカケラもない言葉と対応は正に今ある現状だなと。
老人の孤独死も現状にある分、無関心を実体化してしまうかのような制度はもはや福祉国家が陥落してしまう様を見るようでした。
人間の尊厳を軽視するような事実が判明する展開も、なかなかおぞましい。
電話での会話、時間が終わった後の絶望の表情を見せる老婆の姿が孤独を物語る。
憤りだけでは済まされない現実を突きつけられる、今観なければいけない1作です。
長回しのカメラワークがより不穏と絶望感がありますが、ラストシーンが特に素晴らしい。
