《書込み作業中》
長引く景気低迷により、企業のマインドは過度な効率化・合理化に走る。
国・地方は税収の落ち込みによる財政難で弱者切捨ての政策に舵をきる。
言葉面だけはキレイで何か良いこと・新しいことをやっているように見せかけて、その実は行政の責任逃れ・欺瞞に満ちた政策ばっか打ち出してくるなぁ…
という今の日本人が抱く不信感を見事に掬い取ったPLAN75という設定。
ただ全部観終わって、一本の映画として弱いなぁと感じた。
社会的イシューを、フィクション映画に盛り込んで、尚且つ作品として《面白く》仕上げるのって難しい事なんだと思わされた。
《面白さ》って別に起承転結の作り込んだストーリーとか、
あっと驚くラストの仕掛けとかじゃなくても良くて。
ただ本作は主要登場人物の行動とテーマがクロスオーバーして何かを語る、《物語り》の力が弱い。
達者な役者の演技のニュアンスに頼り過ぎだと感じた。
良く映画作品を批評するときに「登場人物が、物語に奉仕しすぎ。」「ストーリーの為に登場人物の言動が寄与しすぎ」って言い方がされるけど、
その逆、物語と人物の配置を練らな過ぎたら薄ぼんやりした話しになるのかな、と。
本作は元々、是枝監督が企画した短編映画の為に作られたもので、高評価を得たので長編映画化したとの事。
