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Fair Play/フェアプレーのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

Fair Play/フェアプレー(2023年製作の映画)
4.1
#鑑賞後かなり時間が経っているためボヤっとした感想につき

取り立てて、新規性のあるトピックを扱っているわけでもなく、特別に撮影や編集や演出が優れているともいえないのだけど、とても引き込まれた。ヒリヒリと痛かった。

物語上の盛り上げのためか、特に終盤に過剰と思われる展開が有るには有るが、この映画には、機微があった。
男女の恋愛における機微が。

どういう事かといえば、
同棲カップルの倦怠期もの、または同棲解消もの、
男女の社内恋愛もの、そこから男性より女性の方が出世して男性のプライドずたずたものとか
プライドが崩壊した彼が彼女にどんなコミュニケーションをとるか、とか

はたまた、未だに男性優位な企業風土の中で女性がどのように振る舞えばその能力を発揮しキャリアを築いていけるのか、とか

1日で何千万ドルを動かす投資銀行の株式投資部門のエリートの人達、そりゃストレスも半端ないだろうけど案件落ち着いた後の打ち上げでホモソーシャルな中でのマウントの取合いでミソジニー全開のトークしちゃったり、とか(ストリップバーで無理してホモソ乗りに合わせる 痛々しかった、彼女は地方出身という引け目も乗っかるし)

はたまた、どんな時に性欲が高まるのか、どんな時に性欲が減退↘(泣)(笑)するのかとか。

1シーンだけ挙げると、
先に昇進した彼女が、会社の上役達に食事に誘われ、夜遅くかえってきて彼氏が心配と嫉妬と不甲斐なさが入り交じり、突然、彼女のファッションをぼろくそに貶すシーン。というのも彼女役エミリー(フィービー・ディネバー)は地方からニューヨークに勤勉さと知能を武器に出てきた訳で、実家は裕福ではなく勉強に勤しんできたからファッションセンスはあまり洗練されていない。都会のビジネスマンというより小さめだけどリボンやフリルが付いたガーリーな服を選んでたりしていて。でも彼女の容貌にはとても合っていて魅力的で、おそらく彼氏ルーク(オールデン・エアエンライク)もそこ込みで好きな筈。でも貶すところが他に見つからなかったのか、ファッションセンスを貶す。口論になり言い返すんだけどエミリーはとても傷ついて、次の日に仕事の合間に買い物に行き、大人なテイストの服に着かえる、という。
自分が本作のフィービー・ディネバーさんがどストライクにタイプだったのも相まってつらかったなぁ。

という具合に、この映画は恋愛の機微やドロドロが所狭しと詰まっているので是非ご鑑賞ください。
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