ゆうゆ

PLAN 75のゆうゆのネタバレレビュー・内容・結末

PLAN 75(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます


死ぬ権利を獲得した日本。
先日の「ピンククラウド」ばりに 近い将来
ほんとに起こりうるかもしれないディティ
ールのこだわりにリアリティがあり 短絡的
で事務的な死への向き合い方に薄ら寒さを
覚える。
切った爪を観葉植物の肥料にしたり 退職す
る職場のロッカーを丁寧に拭き手を合わ
す、倍賞さんの慎ましやかでシンプルな品
と佇まい、この世に息づくすべてに対する
慈愛を感じ 美しい声に魅了されてただけに
その後のやるせない展開を考えるだけで涙
が止まらなくなった。
若い世代のふたりが自ら死を選ばざるを得
ない高齢者達と直に触れ合う中で 無関心で
はいられない、揺らいでいく気持ちの震え
こそが たくさんの人々に伝えたいメッセー
ジなのかもしれない。
何かがすぐに変わるわけではないけれど
この作品の訴えかけてくるもやもやや息苦
しさにまず向き合うことで 希望の芽が出る
こともきっとあると信じたい🌳
ただ もしも未来に生きる活力をなくした時
あのシステムが自分を救う唯一の灯火とな
る可能性も否定できず全否定できない気持
ちが存在してるのも確か。

はじめての監督さん。
眩い映像美と好みな質感、キャスティング
のセンスも。
ゆうゆ

ゆうゆ