高齢化社会の結果、75歳以上は安楽死を選択出来る制度がある世界線の日常を描く。
現実の社会問題となっている少子高齢化社会と死場所についてのテーマをしっかりと扱っている素晴らしい。
この映画は敵がいるわけでも無く、ゴールがあるわけでも無い。
ifの世界においての日常を、高齢者と制度側で働く若者の双方の視点から淡々と描いている。
役者の演技力と空気感がとてもよく、魅入ってしまった。
40年後には僕自身も75歳を超える。
その時、社会はどのようになっているか分からないが、仮にこの制度がある未来になっていたとして解放としての自決選択をしないよう、今を必死に生きなければと思った。
仕事として高齢者に対応する公務員、最後の時間を電話越しに過ごしてあげる若者スタッフ、子供のために死後処理作業をこなす外国人労働者など社会的なリアリティがあった。
「若い」という事が、どんなに望んでも後からは手に入らない可能性である事は再認識しないとな。
もう若く無いけど。