このレビューはネタバレを含みます
今後の人生を考えさせられる映画。
冒頭の「日本人は国家のための死を誇りに思う民族」というような言葉。
確かに、戦争では多くの人が招集され亡くなった。
しかし、皆が戦地に行きたくて行った訳では無い。
送り出す家族は、連絡が取れずいつ帰ってくるかも分からない人をずっと待っていた。
映画のラストでは、磯村勇斗の叔父は死に、倍賞千恵子は死ぬことをやめた。
ここでジェンダーに紐づけることは違うかも知れないが、戦争では男性が招集され亡くなっていった。女性は男性の帰りを迎えるために生きた。
妻は国のために亡くなった夫を誇りに思うかもしれない。愛する人を奪った国家や戦争を恨むかもしれない。
誰にでも来る終わりを、国家のために選択することは愛国心なのだろうか。年老いて仕事ができず暮らしていけない、自分への諦めなのか。