夫婦の営みに不満を感じている若妻（辺見麻衣）が、かつて自身を強姦した元教え子の青年（久保田泰也）と再会してしまう。過去の性体験に束縛された女性の葛藤劇を描いている、オーピー配給のピンク映画。

「強姦被害のショックが、その人にとっての性的トリガーに成り代わってしまう」という、ポルノ映画の伝統芸、または大人のファンタジーを扱っている作品。ヒロインとなる若妻が、旦那の真横で、教え子に犯されたときの淫夢に悩まされてしまう。

ヒロイン、旦那（岡田智宏）、ヒロインの妹（二宮ナナ）、妹の彼氏（＝強姦の加害者）が、三つ巴ならぬ四つ巴のおかしな人間関係を展開。淡白なセックス観をもつ旦那が、まったく関与しないところが面白い（これもまたピンクの伝統）。

二宮ナナの棒読み演技に難ありといった感じだが、旦那には知らされていない"若妻の秘密"を、エロティックに描くことには成功している。"性衝動がもたらす混沌状態"と"嫌よ嫌よも何とやら"をテーマに取った、ピンクの教科書的作品。