オーストラリアの先住民アボリジニの差別問題に関する「盗まれた世代」(ストールン・ジェネレーション)について描かれた実話ベースの社会派映画
子どもの足で2400キロの道のりを90日間
彼女たちの壮絶な逃走劇を、同じオーストラリア出身であるフィリップ・ノイス監督が、堅実に誠実に描きます
白人男性とアボリジニ女性との間に生まれた「混血」の子ども達に対する、隔離・同化政策
その役人をケネス・ブラナーが演じているんですが、人道的にどう考えても間違っている事なのに、「彼女達のためにしてやってる」というような意識が蔓延っているところに、こういう差別問題の解決の難しさが伺えますね
腕利きの追跡者による追走劇を、ややスリリングに描きながら、「母親に会いたい」という映画の中心部分はブラさず、道中出会う人々の助けによって、外の世界には同時に希望も存在するんだという事に救われもします・・・
ラストにサラっと字幕で流された彼女たちの「その後」がまた過酷で、壮絶すぎる人生です
「ウサギよけのフェンス」から逃げ出せる日は、あまりに遠すぎたのですね・・・