ゴン吉

座頭市海を渡るのゴン吉のレビュー・感想・評価

座頭市海を渡る(1966年製作の映画)
4.0
盲目ながらも居合斬りの達人である渡世人の生き様を描いた「座頭市」シリーズの第14弾。
勝新太郎が主演、安田道代がヒロインを演じ、山形勲、三島雅夫、井川比佐志、田中邦衛らが共演。

盲目の渡世人である座頭市(勝新太郎)は、道中の橋上で突然青年(井川比佐志)に襲われ不本意ながらも返り討ちにする。青年の馬に導かれてある農家に辿り着くと、中から出てきた娘に斬られてしまう。娘は座頭市が悪人でないことを悟と看病してくれる。座頭市を襲った青年は娘の兄で、博打の借金30両をかたにされて座頭市を襲ったのだという…     

勝新太郎の代表作である盲目の渡世人・座頭市の活躍を描いた時代劇。
オープニングは田中邦衛の「キャー」という講釈の悲鳴で始まる。当然ではあるが、田中邦衛が若い。
座頭市はスリの腕斬りや水中斬り、弓矢斬り、スイカの四つ斬りをはじめ沢山の居合斬りを魅せてくれる。
ヒロインは安田道代が演じる芹ケ沢の百姓の娘お吉で、座頭市にひと時の安らぎを与えてくれる。若い娘を目の前にして、見えないのにもかかわらず恥じらいをみせる座頭市が可愛らしい。
悪人は山向こうの谷を押さえているゴロツキの藤八(山形勲)で弓が得意。 
腹黒い策士の地主の権兵衛江(三島雅夫)がストーリーを盛り上げる。
本作では座頭市が耳を動かしながら聞き耳を立てるのが興味深い。
クライマックスでは座頭市が下駄から草履に履き替えて、一人で大勢の悪党たちを相手に大立ち回りして決めてくれる。
「さよなら」と娘と挨拶を交わし、どこともなく去っていく座頭市が哀愁を誘う。  

2024.4 BS12で鑑賞
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