座頭市海を渡るの作品情報・感想・評価

座頭市海を渡る1966年製作の映画)

製作国:

上映時間:82分

ジャンル:

3.8

「座頭市海を渡る」に投稿された感想・評価

伊福部昭じぁない
大楠道代が可愛い。田中邦衛、最初だけかい。
チェケ

チェケの感想・評価

3.5
「七人の侍」にせよ「三匹の侍」にせよ百姓というものの狡猾さ、図太さ、たくましさを描く作品は多いが、この映画はあまりにも百姓の狡猾さにフィーチャーしすぎではなかろうか。市がこの連中を守る必然性が感じられないレベルで狡い。
くずみ

くずみの感想・評価

3.8
アメリカとかに行く訳じゃなかった。アイデアある立ち回りに加え、村人の描写などドラマとして芯がある。ヒロイン安田道代が清新。山形勲がふんどし姿で声を荒らしてノリノリの馬喰役。
Catman

Catmanの感想・評価

3.9
いよいよ座頭市が海外進出かと思いきや、行き先は四国。海を渡るって、瀬戸内海のことかーい!
シリーズ14作目となる本作は新藤兼人の脚本による異色作。物語の構図に他とは一味違う視点の深さが感じられます。が、それが映画としての娯楽性を高めているかと言うと必ずしもそうとは言えず、自分なんかには些かカタルシス不足。それでも西部劇を思わせる舞台設定と画作りはイイ感じで、池広監督による映像センスは本作でも冴えてます。劇伴を一切鳴らさないまま展開される長尺の殺陣もクール。SEがよくあるチュイーン!ズバァ!という大仰なものではなく割と控え目なところもイイ。ただやっぱり座頭市=勝新の魅力のひとつであるユーモアの描写が殆ど見られなかったり、ラスボスとの緊張感溢れる斬り合いが無かったりして全般的に物足りない感じ。
シリーズ第十四作。環境音と人の声、あるいは無音を使い分けた緊張と平安の演出はあまりにも見事で舌を巻く。露骨な黒澤オマージュが見受けられるが、敵役下っ端のやりすぎなへっぴり腰など違和感を生む場面もあり、こちらは上手くいっているとは言えないと思う。
池広一夫監督が力の入った骨っぽい演出で魅せる一作。シリーズ唯一の新藤兼人脚本にふさわしい異色作であり、座頭市が今まで斬った人の供養をすべく四国の札所めぐりの旅をするという内容だ。
座頭市はシリーズが多くてストーリーを覚えているものが少ないが、田中邦衛の奇声ではじまり、船内でスリをはたらいた小悪党の腕を切り落とす冒頭の場面は鮮明に覚えていた。「バレたら仕方ねえ堂々と取ってやるぞ」と居直った悪人の振る舞いに怯え客たちは救いを求めるのだが、その態度に辛抱しかねた市がスリの腕を切り落とした瞬間、その場の空気が凍り付き、みなの恐怖の視線が市へと移ってしまう。強者がその無頼性をみせると只人は戦慄するしかないのだと、勝プロになってからシリーズが突き進んだバイオレントな方向性はこの辺りで確立しているようだ。
今回面白く感じたのは、座頭市と悪党を争わせようとする百姓たちの存在。村の衆は恩義に報いようと一人で野盗に立ち向かう座頭市の義侠心に甘えるだけで、暴力は暴力を生むだけだから、我々は弱い百姓だからと、理不尽な支配に不平は言うのに武器を手に取り戦おうとはしない。自らは争いの場に立たず、借り物の武力でもって血を流さず物事を解決させようとするずる賢い人間として描かれている。
自分の生活を守るのに他人任せでいいのか、というのは我々にとっても耳の痛いはなしだ。だからこそ農民の甘えを責めることはできない。この煮え切らなさが、今日に至るまで日本人が胸に抱え続けてきたつっかえ棒なんだろう。
当時の大衆が感じていた社会不安を汲みとり、ベトナム戦争が泥沼化するなかで後におこる70年安保闘争などを予見したかのような時代の淀みを汲み上げ映した映画だ。
R

Rの感想・評価

4.0
このシリーズを見ていると、市が守るものに対して「本当にその価値があるのか」という疑問が常につきまとう。
今回はそれが顕著であった

1人で戦うしかない男の孤独な描写は見るに耐えないがそれだけ美しいと感じさせる。
シズヲ

シズヲの感想・評価

3.9
座頭市の業と人間性を改めて噛み締める一作。
今回のいっつぁんは供養のお参りに訪れてて、人を斬り続けてきた自分の業を自覚してるんだよね。だけど結局仕込み杖を抜いて誰かを斬らなければならなくなる、そんな逃れられない宿命を背負ってるいっつぁんが儚く哀愁に満ちている。

悪役も特に憎たらしいし凶暴なんだけど、今回はそれと同時にいっつぁんに全てを押し付けようとする事なかれ主義の農民達が印象的に書かれている。守られる側を「何もせず市を利用しようとする浅はかな者達」として描写してるのは座頭市だと新鮮。

贖罪の為に訪れた先でもいっつぁんはヒロインを除けば殆ど孤独で、粗暴な賊に狡い農民とろくな奴らに会えないのが悲壮感漂う。いっつぁんの言動からは最早諦観のようなものさえ感じ取れるけど、それでも「賭け」をして人間への絶望を拒絶したのが印象深い。

いっつぁんの業の書き方は凄く好きだけど、そちらに重点を置いてた分殺陣はそこまで印象に残らなかった。ただ矢の両断や一作目を彷彿とさせる暗闇での抜刀は好き。展開もなんとなくのんびりしてた印象。
なるほど。こりゃ確かに西部劇だわ。敵が馬賊だし、クライマックスはもろ「真昼の決闘」。そのために市に海を渡らせる(ったって四国だが)必要があったのか。とはいえ、これまで市の超人ぶりを散々見ているだけに、また、ヒロイン(安田道代)がピッチピチなだけに、「援軍を得られずに大勢の敵にたった一人で立ち向かう市」に悲壮感や孤独感を感じない。
今まで人を斬った事を戒める為に四国八十八箇所の巡礼をしていた市(勝新太郎)。
人を殺めまいとしていた矢先いきなり斬りつけてきた英五郎(井川比佐志)を逆に斬り殺してしまった。
英五郎が乗ってきた馬に付き添う形で彼の家に赴くが妹のお吉(大楠道代)に市はきりつけられる。
抵抗しなかった市にお吉は反省し介抱する。
英五郎は村を取り仕切る馬喰藤八(山形勲)に借金していてその肩代わりに市の殺害を命じられていたのだった・・・。

勝新太郎版劇場シリーズ14作目。
『海を渡る』というので外国に行くのかと思いきや四国に渡るという意味でした(笑)
まぁ確かに海は渡っている。

ストーリー的には村を仕切る悪人に成敗する市…とマンネリなもの。
しかし今作の違ったところは村人が悪人退治を市に任せっきりにしていることへの疑問を提示してくるんですよ。
そこをなかなかフィーチャーしてなかったのに敢えてそこを見せるのはなぜ?と思っていたら新藤兼人が脚本書いていた事で納得しました!

自分の村を守るのに他人任せで良いのか?
まさに日本人の習性に訴えかけているようで斬新でしたね。
考え過ぎなのかもしれませんが(笑)

シリーズの中でもなかなかスパイスが効いた作品だと思います。
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