フランケンシュタマチ

マーターズのフランケンシュタマチのレビュー・感想・評価

マーターズ(2007年製作の映画)
4.7
「胸糞」「トラウマ」「問題作」と謳われてばかりの作品。だけどもそれは表面的で、本質を捉えていないと思う。
目を逸らしたくなる暴力描写と予測不能で凄惨極まりない展開。
それに耐えた先にある「真に繋がる2人の女性の心」こそ、本作の醍醐味。
ラストである者たちが目指す「殉教者」が生まれるも、それは彼らが考えているような壮大なものではなく、極めてパーソナルで「愛」とも呼ぶべき美しいもの。相手の抱える苦しみや辛さは、結局のところ当人と同じような経験をしないと理解することは出来ない…。エンドロールの映像は涙を誘う。
鑑賞に心の準備が必要ですが、哲学性と味わい深さのある良い作品です。