いちじく

ブルービートルのいちじくのネタバレレビュー・内容・結末

ブルービートル(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

大学を卒業して実家に戻ってきたハイメだったが家業は廃業してしまっていて家賃も払えないピンチだった。
生活の足しに働きたいが仕事は妹の紹介でさせてもらえる清掃の仕事だけ。その仕事も口論している女性ジェニーに加勢したことでクビになってしまう。
ジェニーは大軍事会社コード産業の娘であり仕事の保証をしてくれるというので翌日会いに行くが、仕事の話はできずに焦った様子でお菓子の箱を守ってくれと言われて渡される。
家に帰って箱を開けるとスカラベが入っていてハイメの体内から取り付く。
スーパーヒーローの力を手に入れてしまったハイメはジェニーに事情を問い詰めにいくが、ジェニーは追手に銃撃されていて逃げ惑っていた。
とりあえずジェニーを実家に保護して事情を聴くとスカラベを取り外すにはジェニーの父親の研究室にいかなければいけないと言われてまずはコード産業に鍵を取りに行く。
コード産業が造ったサイボーグのカラパックスを撃退して研究室に向かうが判明したのはスカラベを取り外せない事実だった。
ハイメ達が研究室にいる頃、コード産業のトップでジェニーの叔母のビクトリアがハイメ家を襲撃。助けに戻ったハイメはビクトリアにとらえられてしまう。
スカラベを自分が造ったサイボーグ兵器に転用したいビクトリアはハイメの力を搾り取って兵器を完成させる。
黄泉の入り口で父の死を悟ったハイメは力を取り戻し、助けに来た家族達+ジェニーと共に完成されたカラパックスを倒す。
カラパックスは非道な仕打ちを思い出してビクトリアを巻き添えに自爆する。
ビクトリア亡き後のコード産業を引き継いだジェニーは軍事開発をやめて地域密着型になることを宣言。破壊したハイメの家の修理費を保証しルディに車をプレゼントする。
ハイメとジェニーが💋して空を飛ぶ。
エンドクレジット中にジェニーの父から生存の連絡が入る。


ヒーロー映画で「家族」が活躍するのが新鮮。コメディの強い序盤で惹き込まれるが、2時間超えるわりに設定が表面的に見えてしまい後半はちょっと飽きた。

家族がとてもうざったいが愛嬌がある。主人公と血の繋がりがあるようには見えないのが惜しい。

AIに任せた戦闘で容赦がない無双っぷりを見せるなど、ちょい昔の日本のロボットアニメや少年漫画的で好感があるが、どこか浅くて描写の理由付けが薄い。
怒りに任せてカラパックスを殺そうとするハイメをAIが止めるが、AIが人の心を理解していくような交流なんて無かった。ハイメとスカラベが完全に同期したのが理由なのかな?

ジェニーとの仕事の約束って一方的にSNSでメッセージ送っただけ?
大学でなんで法律学んだ?ひとつも映画内で生かされなかった。

ビクトリアが悪事を行ってきた描写が少ない。盗まれたスカラベを取り戻そうとするのは普通なことだし、スカラベを軍事兵器生産に使おうとしただけで悪者認定はしづらい。
ビクトリア亡き後、実権を握ったジェニーが自分の好きなように会社の方向性を変えようとするの怖い。そもそもコード産業ってどんな会社なんだ。

スカラベとは別で結構な特殊兵器が開発されているので、スカラベの力がどれぐらい特別なのかがわかりづらい。
設定上はブルービートルなら圧倒できるだろうと思うのにモタモタ相手を倒すので爽快感がない。まだ慣れてない + 相手を殺さないように手加減してるんだろうけどそれらを解っていても納得しきれない。一番良かったのはバスを真っ二つにするところ。

ハイメとジェニーが惹かれ合うのも急で納得感が無い。登場人物が多くてどれも表面的な交流しか描けなかったせいか?

最後にご近所さん達が手伝いに来てくれるけど地元の交流描写なんてあったっけ?
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