マ帆

ドント・ウォーリー・ダーリンのマ帆のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

どうやら街全体が男たちによって作り上げられた "理想郷" らしい、という事前情報をもっと超えてきてほしかったというのが正直な所だけどスリラー映画としてはかなり楽しめた◎日本版の予告はギリアウトのネタバレ具合かと存じます。。。

ただネタバラシの過程がちょっと鈍いのと、飛行機は何で墜落したんだろう?(プログラムならむしろ完璧に飛びそう)みたいな疑問点がいくつかあってやっぱり消化不良感は否めない。

ファッキン家父長制な作品はここ最近少なくないので既視感も感じつつ、男は外で仕事、女は家で家事=みんなが幸せになれる世界!という考えが骨の髄まで染み込んでいるジャックが恐らく何の違和感も罪悪感も持たないまま、良かれと思って計画に参加しているのが1番怖かった。

計画の存在を知っていたと告白するバニーは「早く専業主婦になりたい」とぼやく女性のような、言ってしまえば "家父長制に甘んじる" 存在であって、そういう人間もジャックと同じ家父長制の犠牲者だと考えると「これ覆すのかなり大変じゃない、、?」という知ってた事実をまた突きつけられる。それがこの映画の恐ろしさだと思った。

"完璧" に作り上げられた住宅街に『ビバリウム』、女性の現実と虚妄が入り混じる演出に『ラストナイトインソーホー』、監督が参考にしたという『トゥルーマンショー』などなど、観てる間色んなタイトルが浮かんだけど何よりもこれあれだ、 めちゃくちゃ『アンテベラム』。でもあっちの方がもっと分かりやすくてスマートだった。
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