IKUZAGIE

ドント・ウォーリー・ダーリンのIKUZAGIEのレビュー・感想・評価

3.5
なかなか面白かった!綺麗な女優さん達がいっぱい出てきました。内容はアメリカ社会に対するメタファーというか風刺というか。基本的にはこれまでの男性優位なアメリカ社会に対する批判がテーマかと思うのですが、それだけでは無い印象でした。
アメリカといえば、民主党と共和党の二大政党が拮抗し、対立しています。簡単にいうと、リベラル派が民主党で保守派が共和党。アメリカの民主党はどちらかといえば多様性を重んじ、移民にも寛大で、特に人種や女性差別に対して敏感なイメージ。かたや共和党は、自国優先で経済と産業を発展させ、世界のリーダーとしての強い影響力を持ちたいというイメージ。当然どちらの考え方も正しいので、対立はしますが、解決はしません。
我々日本人は割と政治に疎いというか政治信条も曖昧ですが、国の政治というのは、我々パンピー(一般人)の人生や生き方にも影響する部分があるので、アメリカでは影響力のあるハリウッドスターや有名人が、誰に投票したとか、誰を応援しているとか、積極的に自分の考えを発信したりしています。では、社会に影響力の無い我々パンピーは、人生に対して自分の努力以外に何が出来るのか。その答えの一つが選挙という形の「選択」です。選択する際に必要なものは、正しい情報(真実)ですが、もし、その情報が誰かによって操作されたものだったらどうなるでしょうか。
アメリカは特に陰謀論が好きなようで、フェイクニュースという言葉があるように、信憑性が低い情報でも世の中に出回り、時にそれがまるで本当の事ように感じたりします。例えば、エリア51にはアメリカに墜落したUFOが研究されている、とか…。あっ!エリア51の話は本当ですけどね。(←な?)
映画の話に戻ると、世の中に溢れている間違った情報を信じ込み、権力者が提唱する価値観が正しいと思い込み、その権力者によって自分の人生がコントロールされているとしたら、それってめちゃくちゃ怖いよね!という内容でした。ただ、この映画が面白いのは、もしそれが誰かの価値観に合わせてコントロールされた人生であったとしても、それで幸せと思えるなら、それは一つの選択肢だ、としているところです。どちらが正しいでは無く、正しい情報を知った上で何かを選択する。その為にはまず自分自身の目を覚まして、周りをよく見て判断しろ、と。
あくまで勝手な推察ですが、この映画は先日のアメリカ中間選挙に向けて作られたモノではなかろうかと勘ぐってしまいました。だって民主党のリーダーはロリコンのボ●老人で、共和党の方はア●の成金セクハラジジイとくれば、古い価値観のどうしようもない男共に自分の人生預けられんは!って思うでしょう(笑)。とはいえ…実は…そいつらを裏で糸引いてる黒幕がいるのかもしれませんが…(怖)。
監督は女優も務めるオリヴィア・ワイルド。監督デビュー作は学園コメディの「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で今作が2作目。多才ですね。
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