ふかい

ドント・ウォーリー・ダーリンのふかいのレビュー・感想・評価

4.0
家に閉じ込められた妻が、何の仕事をしているのか分からない夫の裏に隠された真相に切り込んでいくという展開で、オリヴィアワイルドは「スパイの妻」(もといロメールの「三重スパイ」)を観ているに違いないと途中まで確信していたが、だんだんとこれは「フリーガイ」的な、もっと踏み込めば「ワンダヴィジョン」的な話なのかと気づく。陰謀論にはまり込んでいく構図などはやや図式的で「ドントルックアップ」に及ばない程度と感じたが、そこに家父長制の欺瞞を入れ込んでいく構図が上手く、山田太一の「岸辺のアルバム」を観ているかの如き居心地の悪さを抱かせる。エンタメとして、また社会批評として一定の水準は保っているものの「ブックスマート」のような革新性とフレッシュさは感じられなかった。
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