michiko

ドント・ウォーリー・ダーリンのmichikoのレビュー・感想・評価

3.0
“ダーリン”は日本人の感覚だと女性から男性にという感じだが、実際は男女関係ない。外で働く男性をサポートする女性からの言葉にもとれるし、その逆にも取れる。男尊女卑、女性のライフデザイン、それらのタブーをある時はコメディタッチにある時はスリリングに描く。

それはまるで1950年代のアメリカ郊外の街並み。誰もが羨む理想的な夫婦達が生活する。カッコいい旦那と可愛い奥様。朝、旦那を会社に送り出してからは掃除に洗濯。家中を綺麗にした後は近所の奥様と談笑したりバレエの稽古で汗を流す。旦那が帰る前には豪華な料理を作り、旦那の欲望のまま身体を委ねる。

これは男尊女卑では無い。男は外で仕事に、女は家でサポートする。お互いの役割を全うし、2人にとって理想の生活を築く。そこに歪な陰りを感じつつも。そう、2人が幸せなら男尊女卑では無い。

まるでテレビのシットコムの世界みたいに作り物の様な完璧さ。そのコメディの様な情景をスリラーにしていくフローレンス・ピューの演技は素晴らしい。そして徐々に明かされる謎は少々ありきたりかもしれない。1950年代のアメリカ郊外の生活を描いた作品と言ったらこのオチが多い様に思われる。主人公の反撃パートはもっと劇的に描ければスカッとしたかもしれない。そしてこの舞台に合う俳優が確かに存在し、どこかで見た顔ぶれが多い笑

男と女で感想が大きく変わりそうな作品である。
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