ヴぇる

ムーラン・ルージュのヴぇるのレビュー・感想・評価

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
3.5
2002年のアカデミー賞ではいくつかの賞にノミネートされオスカーも獲得している。

最初の50分は最高だ。ミュージカル映画を見て心が踊り曲の最後には「YES!」と言いたくなる所は数々あった。まるでジェットコースターに乗っているような感覚で走りき切ってくれた。クレイジーな雰囲気や曲の使い方に賛否あるのはわかるが、私には最高の出来であり、この映画が最後までこの流れで行ってくれたら4.5は固かった。
何よりもニコール・キッドマンはチャーミングでとても「アイズワイドシャット」と同一人物とは思えない。素晴らしい役者だ。

が、光と闇で映画は成り立っている。陰と陽があって始めて2時間という時間を彩ることが出来ることが出来るが、今作ではそれは非常にイマイチなバランスだったと言える。
闇の部分のせいで前半の最高なクレイジーな流れを止めてしまっているのだ。
オペラ風に持っていきたかったのは理解できるが、一つの作品として見る時に繋ぎ目が急展開過ぎて付いけなくなってしまう。
加えて言えば、前半に出尽くした問題点を最後の最後まで引き延ばし過ぎた事は酷いものである。同じ問題点を1時間以上解決すらせずに見させられるのは非常に苦痛だ。
ミュージカル映画は問題点をノリと勢いで誤魔化す事があるが、それすらも出来なかった。前半の流れそのままだったらまだそれをする事が出来たのに残念でならない。

総評としては、前半50分は4.5後半の70分は2.5と言った所で息切れしたと言わざるを得ない作品だ。
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