ヴぇる

仁義なき戦いのヴぇるのレビュー・感想・評価

仁義なき戦い(1973年製作の映画)
2.8
早々から荒々しい写し方で正にごった煮の様な様相を呈している。当時の観客を惹き付けるためにこの手法を取ったのだろうが、何が何だか分からない。10分すぎてからようやく会話と話の流れが掴めるレベルである。
また、実録ドキュメントであり登場人物を省け無かったためだろうが、不必要に余りにも登場人物が多すぎる。死人が出る度に筋がクリアになっていくのはおかしみがあったが、政治家辺りまでの駆け足は拙速のように思えた。

その点を除けば所謂ヤクザ映画であり、エンターテインメントの様式美を携えている。評価されているのはこの方式においてパイオニアであるということだろう。また、俳優陣の凄みや口調は一流のそれであり、パッケージとしては高水準ではある。

ただ、あと30~60分は尺を伸ばしても良かったように思えたし、序盤のやり過ぎなグロシーンも無くて良かったように思える。新しい手法を取り入れる為の不安感が観客を引き込む為の序盤の衝撃と飽きさせない尺の短さなのだろうがもう少し攻めていればなお名作としての扱いになったように感じた。
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