このレビューはネタバレを含みます
🇩🇰境界線を超えた「お・も・て・な・し」🇳🇱
礼節を重んじたことで最悪の結果を招くと
いう、人間の良心を反故にする救いようの
ない悪魔的作品。
とにかくずーっと不穏な空気感。
フオン、フオン、不快、恐怖、絶望。
それだけにこの結末で締め括ったのは
パーフェクト💯
不快さではジョルジュ・シュルイツァー
監督の「バニシング-消失-」より上。
パトリック夫婦に対する違和感、嫌悪感を
募らせていく中で、逃げ出すことはいくら
でもできたはず。
けれど結局逃げ出せなかった。
相手を信用しすぎた点もあるけど、もてな
しに対する礼儀があったからに他ならない。
そこを突いて当たり前のように貶める姿は
タイトル通り悪魔ってことなんだろう。
ハネケ監督の「ファニーゲーム」と同列で
胸糞作品と評されてるけど、ちょっと違う。
「ファニーゲーム」は、最初から家族の結末
は運命づけられてる。
けれど本作は、途中何度も降りることが
できたのに、そうしなかったことで家族の
運命が決まってしまう。
つまり、礼を感じて逃げなかったことを
逆手にとって絶望の運命を視聴者に投げ
つける点では、「ファニーゲーム」より悪意
があると思う。
製作陣はしてやったりの気分だろうな。
本当の絶望は、ベロやラストではない。
それは、車から消えた妻娘を探してたとこ
ろに、パトリックが妻娘を乗せて車でやっ
てきたところからのビャアンの演技。
ここは絶望しか感じられない最高のシーン👏
一方、車中で生を感じさせない無表情の
カリンは正に悪魔のようで、僕的には
その表情が1番の恐怖だった。
ハネケ、トリアーに強い影響を受けてる
のはすごく感じられる。
それだけに今後の作品が楽しみなとこ♫