僕らの世界が交わるまでのTakuのレビュー・感想・評価

ジェシー・アイゼンバーグ初長編監督作品。そこまで期待していなかったが、素晴らしい傑作。人物の関係性を隔てるような画面設計やフレーム=「世界」の外から漏れ入る音など、各人が別個に世界をもつような表現が徹底される。それらが互いにすれ違うもどかしさを示しながら、それでも＂交わる＂瞬間を模索する人間達のダイナミズムをリアルに描いていた。これは邦題が的確。
ジェシーは結構技巧派だと思う。座る場所を巡る会話なんか、世界の一瞬の繋がりを示す演出としてとてもスマートだった。