公開を去年から待ち侘びていた作品。
福祉施設で働く母親・イヴリンと、弾き語りのライブ配信が趣味のティーンの息子・ジギーは価値観が合わない。互いにイライラを募らせ、ひとつ屋根の下でぶつかり合う日々を送っている。
ジギーが自らの理想通りにならないイヴリンは、現実逃避をするかの如く、ある少年を手塩にかけ始める。好きな女の子にどうしても振り向いてほしいジギーは、あの手この手で話しかけてみせ、まったく興味のない政治的な話題になんとか乗りかかろうとする。水と油な親子ふたりが、それぞれの世界でもがき、たどり着いた先は……？
正直言って超イタい！と感じるほど愚かさも容赦なく描くビターさだけど、根底に人間を慈しむぬくもりが感じられる、チャーミングな映画でした。
