しちれゆ

僕らの世界が交わるまでのしちれゆのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
3.8
ジェシー・アイゼンバーグ初監督作品。予想以上に面白かったです。
親の庇護の元にいて ある意味支配できていた我が子が成長し自我を持ちひとりの人間として自立しようとする時、その姿が自分の理想とかけ離れていたとしたら母親はそれを許容出来るか、というお話。これは母親がハイレベルなほどハードルが高い。本作のエヴリン(ジュリアン・ムーア)はDV被害者のシェルターを運営していて基本善良な人間だけれど あまりに独善的で視野が狭い。息子は息子で言ってしまえばおバカ。配信フォロワー2万人がアイデンティティ。まあどっちもどっちなのだが、思うようにならない息子の代替品としてシェルターにいる高校生に入れこみすぎて果ては自宅のおかずにホイルを被せて持っていきウザがられる始末。結局母親の方も成熟には程遠い人間だったというのが強烈に皮肉が効いている。
ラストが刺さるどうかは観る人の年齢、立場で大きく違うと思う。若い人や未婚の人には響かないかもしれません。
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