しちれゆ

夜の女たちのしちれゆのレビュー・感想・評価

夜の女たち(1948年製作の映画)
3.5
2022年に見た江口のりこ・前田敦子主演の同名ミュージカルの元映画ゆえ見たかった作品。

1948年作品。終戦直後の大阪・西成が舞台。
夫が戦死し子供を病気で亡くした房子(田中絹代)は生きるためにある男の妾になるが、その男を妹に寝取られて娼婦となる。

戦後すぐの大阪の街が興味深い。セットらしき場面もありながら戦後の貧しさと猥雑さが映し出される。本作は性病予防の観点から米軍の援助で作られたということでパンパンの話なのにアメリカ兵が全く出てこない。
で、娼婦たちの逞しさ。堅気になると言う房子を娼婦仲間たちが″おとしまえ″としてくんずほぐれつ 殴る蹴る、ベルトで鞭打ち連打。田中絹代の服が悪趣味すぎて楽しい。リボン、ヒラヒラ、水玉、頭にもでっかいリボン。これってモロ米兵向き。
古いフィルムなのでノイズがうるさかった。
最初と最後にベートーヴェンの『運命』

特典映像として新藤兼人監督による解説も。本作を理解する手助けとなった。
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