家族とはいえ所詮は他人のため、それぞれの関心領域に歩み寄ることの尊さを1時間半のスマートな尺に収めた秀作。
ネットを介した、本作のテーマである人とのつながりが視覚的かつ端的に表現されたオープニングシークエンスからして監督としてのジェシー・アイゼンバーグに唸らされる。
基本的に母と息子のシーンが交互に積み重ねられる構成で、その中でシーンごとにお互いの行動がときに反響し合い、音楽など諸々の演出は対照的になる。
コミュニケーションの下手さを共感性羞恥をもって見せられるところや全体的な雰囲気、後味は後の作品である『アイ・ライク・ムービーズ』を彷彿とさせる。